カテゴリアンティーク、コレクション武具日本刀、刀剣槍、薙刀状態やや傷や汚れあり（詳細）


同田貫は肥後国「熊本」の産、古刀末期に菊池よりの玉名へと移住した菊池延寿鍛冶の後裔になります。
天正十六年(1588)、加藤清正が肥後に入国して北半を領するとともに延寿鍛冶の後裔を召抱え、熊本城の御城備刀を作らせました。
これらが肥後同田貫鍛冶一門であり、「折れず曲がらず同田貫」と歌われ、猛勇な清正公の気風を反映して無骨で野趣溢れ、物切れ優秀な実用的価値の高い刀を鍛刀して乱世戦国の世に全盛期を迎えました。

文禄・慶長の『朝鮮の役』やその後の『関ヶ原の合戦』、『大阪夏・冬の陣』での実用武器として消耗が激しいものが大半で、また同時代には、群雄割拠、下克上の実力主義の世界に生きた猛者たちの剛健な気質を反映してか野戦用が多いものが大半です。

長銘物の太刀や薙刀・槍は献上品か高位の武将の注文打のため入念作が見受けられます。この中でも美術的に優れたものや在銘品は限られ、完存状態は稀有であるといえます。

本作は、無銘でありながら、日本刀剣美術協会より「同田貫」を鑑定を受けました。野戦用が多い同田貫の中でも美術的に優れた蛇と棒樋が刀身彫がされています。通常槍は、鎬があり彫るのが難しいので、刀身彫は無く、棒樋だけです。

しかも蛇は珍しく滅多にありません。号「大蛇丸」と伝来される大身槍です。
白鞘入りで拵えの朱塗り鞘もあります。

全体的に出来も良く、普通は槍の形状から鍛え傷が出やすいですが、鍛え傷や刃こぼれなどなく、綺麗な研ぎで、6枚目に鞘に一部割れがありますが、全体として状態はいいと思います。日本刀剣美術保存協会からの鑑定での状態でも大きな欠点はありません。

蛇は古来より富の象徴とされ、幸運や財力をもてなすとされ「蛇神」とされていましたので、時の権力者や大名、大富豪などに重宝されています。
御護槍や財運上昇の縁起として家宝にいかがでしょうか。

同田貫の大身槍自体が珍しいですが、刀身彫の蛇もとても珍しく、大変貴重な槍だと思います。

令和4年6月の日本美術刀剣保存協会に自身で申請し、保存刀剣に合格しましたので、間違いなく本物です。

今後このような大珍品で貴重な作品はまず出て来ないものと思われます。大変貴重な御品物かと存じますので、どうぞこの機会をお見逃しなく、特別なお品物としておさめて頂きたく存じます。

※大身槍は大名行列の先頭を切って槍行列に使用されていたという歴史的事実があることを考慮すれば、本作においても同様であり、また野戦向きの同田貫に珍しい蛇の刀身彫もあり、こうした観点からも献上品あるいは高位武将注文打と思われる一振りかと存じます。


銃砲刀剣類登録証番号 ：東京都　第１８１２２７号
種別：やり
長さ：５５．２センチ
反り：０．０センチ
目くぎ穴：１個
銘文：無銘